航空機・造船メーカー川崎重工によるバイク製造
カワサキは正確には川崎重工業の子会社である「カワサキモータースジャパン」という会社名のバイクメーカーです。
国内のバイクシェアを独占している4大メーカーとしては最もシェアが小さいメーカーではありますが、リリースするバイクが非常に個性的であることから根強いファンを獲得し続けています。
企業の遍歴をたどると、もともと本体である川崎重工業は1878年に造船業としてスタートをしています。
名前から有名な工業地帯である神奈川県川崎市を連想してしまうところですが、創業した場所は東京都築地で初代社長の名前が川崎正蔵氏であったことからこの名称となっています。
ただしバイク4大メーカーのうちこのカワサキのみが静岡県浜松市ではなく東京都を出発点にしているというところが大きく異なっており、そういう意味でやや異色な存在であるといえるでしょう。
カワサキモータースジャパンの前身は川崎重工業が1953年に立ち上げた明発工業株式会社で、こちらが何度か名称を変更しながら現在の名前に落ち着きました。
往年のバイクファンに言わせるとカワサキのバイクはクセが強すぎて扱いが難しいという評価なのですが、そこがカワサキならではのこだわりのようで、現在も精力的にレースに参加をしてはそこで使用されたマシンをほとんど手を加えずに一般向けに販売したりといった変わった販売戦略をとっています。
硬派にジャンルを絞り込んだバイク製作
カワサキのバイクがここ最近で最も注目を浴びることになったのが中型バイクの人気車種である「Ninja250/400」が販売されたことです。
この「Ninja」はバイクにそれほど詳しくない人でも名前くらいは知っているというほど超有名な車種となっており、SS(スーパースポーツ)型のバイクとしては異例なほどの人気で中古市場で取引をされています。
なぜNinjaが人気になったかというと、これは「World Super Bike」という市販車ベースでの世界レースで好成績をあげることができたからです。
カワサキのバイク製造で非常に個性的なのが低排気量のバイクには全く手を広げず、頑なに中型以上のSSタイプおよびオフロードバイクに徹底しているという点です。
原付2種として分類されているオフロードの車種もいくつか製造していますが、基本的には大排気量のレース向けのバイクにこだわって製造しているメーカーとしてまとめることができます。
お世辞にも初心者向けとは言えず、他のメーカーが新たなシェアとして開発している女性や小柄な人向けのバイクには見向きもせずに「乗ってくれる人が乗ればいい」とでも言いたげな硬派なバイクづくりをしています。