プラグのねじ山が傷む原因とは
ボルトを締め付けたはずなのに、いつまでもくるくる回って止まらないということがあります。
これはねじ山がなめてしまっているため、トルクがかからなくなっているのです。
最近は、絶版車や旧車ユーザーが増えています。
現代のバイクは、フューエルインジェクションが付いているのでスパークプラグに触れる機会は無いと言ってよいのですが、絶版車や旧車だとスパークプラグのコンディションがエンジン性能に大きく影響します。
そのためスパークプラグのメンテナンスのために、頻繁に着脱することになります。
その結果、ねじ山にダメージを与えるケースが多くなります。
ねじ山が傷む原因の多くは、ねじ山が汚れているまま締め込んでしまうことでしょう。
汚れがねじ山に負荷をかけてしまうわけです。
もう一つ原因があって、それは斜めに締め込んでそれに気づかずにプラグレンチで力を入れて締めてしまうことです。
ねじ山の修理方法
ねじ山の修理には、オールインワンのリコイルキットの購入が良いでしょう。
キットは、各サイズのねじがラインナップされています。
作業ですが、まずは傷んだねじ穴を拡大します。
拡大したら切り粉を洗浄液で洗い流し、さらにエアブローを行いましょう。
下穴が拡大したら、専用タップを使用してタップ加工を行います。
これでオーバーサイズのねじ山が出来ます。
そこにリコイルを挿入することによって、使いたいサイズのねじ穴にします。
このとき、工具からリコイルが抜けないように注意しながらゆっくりとねじ込みます。
挿入したら、リコイルが飛び出していないことを確認し折り取り工具でタンを除去します。
リコイルの作業が終わったら、手でプラグをねじ込んでみます。
リコイル作業に問題がなければ、スムーズに入ります。
ねじ山修理のポイント
ねじ山が傷まないようにするためには、プラグの汚れに気を付けることが大切です。
例えば、プラグ交換をする際に熱いプラグを路面に置くと、細かい砂が付着します。
これをそのままねじ込んでねじ山が傷むことがありますので、充分に注意しましょう。
リコイルを挿入する際、リコイルの端面がねじ山から飛び出してはいけません。
これは充分に確認する必要が有ります。
目安は、端部が一山くらい潜っている状態になっていることです。
リコイルには長さ違いが有ります。
ねじ山深さによって、リコイルを使い分けます。
ある程度慣れてくれば、リコイルの長さが合わないときはリコイルを切って使えるようになります。
90度曲がったタンと呼ばれている部分を最後に折り取るのですが、ねじ山が一山ほど潜った位置になるように折り取ります。
なお、リコイルキットの中には折り取り工具が入っていますので、活用しましょう。